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薄暗い部屋で、ローレンは目を覚ました。朝なのか夜なのか、よく分からない。

ローレンには、生きているという実感がなかった。頭の中には、ひとつの言葉がずっとこだましている。

“こうして生きていて、どんな意味があるのだろう?”

ふと、ハサミを手に取り“糸”を切ろうとすると、風の音と共にどこからか声が聞こえた。

「切ったりしないで。こっちにおいで」

ローレンはハサミを置いて静かに立ち上がった。