これからの歩み

婚姻届を出す前に、子供達に報告をしたい。

「浩輔君と祐輔君に会いたい。直接僕から話したいので、来週の木曜日か金曜日夕方時間を空けてほしいと連絡してくれる?」

「わかりました。今、電話してみるね」

「浩輔、俊さんとお母さんから大事なお話があるの。来週の木曜日か金曜日夕方時間を空けてほしい。祐輔にも連絡して二人で決めて、連絡待っているね」

三十分後、浩輔から連絡が来た。

「金曜日の夕方でいいのね。ありがとう。場所と時間はラインするね」

「浩輔君の連絡先教えてほしい」

「分かりました」

「二人の賛成があれば安心だね」

「ええ、ありがとう」

金曜日、約束の時間に着いたらすでに三人はお茶を飲んでいた。

「あれ、早かったのね。私、時間を間違えた?」

「違うよ。僕が浩輔君達に早く来てもらった。僕の紹介をしようと思って」

「今日は、早めに時間を頂きありがとう。実はお母さんにプロポーズをした。お母さんは二人の賛成がないと不安なようで、今日は来ていただいた。お母さんとお付き合いをして、感じたのは女性ってこんなに優しいしこんなに笑う、こんなにしっかりしているんだと感じた。

僕は五十歳で独身。母親を十歳の時、病気で亡くし父と二人で暮らしていたが、僕が二十六歳の時に父も亡くなり、兄弟はいない、親戚も縁遠くてお付き合いはない。一人で、がむしゃらに勉強して、三十歳に今の会社を起業し、会社は軌道に乗り社員は十人います。