断絶の季節
あの若者は
存在者として
存在していなかった
いないのだ
どこにも
不在証明しかない
〈おお
夜の木に逆さまに吊るされた
あわれな者よ!
えぐられた
眼球のデカダンスを
生きよ〉
〈所詮
ホモサピエンスの
1つの結末にすぎないが
逆さまに星の数を数えるのも
1つの答えだ〉
誰もいない休日
壊れたオルガンを弾いていたおまえ
饐えた匂いの漂う場末で
かがやく王国の終末のような
時のなかで
みしらぬ言語を見出した
19歳
アラユル意味ガ剥奪サレタ
くらい宇宙のどこか一つの
ブラックホールでしかない
僕が
僕であった
とすると