6 財産規模が大きい場合

不動産を多くお持ちの場合や、財産規模が大きい場合には、より慎重な準備が必要となります。相続税についても配慮しなければならないからです。

相続税を減らすためには相続財産全体に対する不動産の割合を高めることが有効です。また、収益用不動産の建築や取得を検討する必要もあろうかと思います。

しかし、不動産の割合が増えると分割は難しくなります。分割と相続税対策の両方を睨みつつ準備をする必要があります。こういった場合、一般個人の方がご自身で検討するだけでは限界があります。不動産・法務・税務といった幅広い分野の知識が必要ですし、相続・不動産に関する法律、税制は年々改正されるので常に最新の情報を知っておかなければならないからです。

信頼できる専門家に相談すべきでしょう。

この場合も、推定被相続人が元気であるうちから準備を進めてください。相続対策には時間が必要になるケースもあり、対策が完了する前に相続が発生して、すべて無駄になってしまうということもあり得ます。

7 最後に

先にも書きましたが、遺産分割について、揉め事を回避するためには遺言などの生前対策が非常に有効です。

逆に相続発生後では手遅れになってしまうことが多くあります。最近は新型コロナウイルスの流行や大規模災害の発生など、以前では考えられないようなことが前触れもなく起こるようになってきています。

備えあれば憂いなし、ぜひ「後悔先に立たず!」とならないよう、早い段階から相続準備に取り掛かることをお勧めいたします。