悩ましい態度
「推し」というのは、本来、芸能人など手のどどかない人に抱く感情です。そのような感情を、職場の同僚やクラスの同級生などに抱いたとき、人はどのような態度に出るのでしょうか。
それが「好き」という恋愛感情であれば、意識的にも無意識的にも、相手を意識させるような態度に出るでしょう。ところが、「推し」の場合、ある意味、「好き」よりも大きな感情であるため、相手に平伏した気持ちになります。とはいえ、全面的に平伏していては、何かおかしいため、なにやら「悩ましい」態度になるのです。
「推し」と一緒にいる時間を大切にしながらも、どうにもこうにも動きようがない。なんだかモジモジしている様は「好きな人」を相手にしている様と似てはいますが、決定的に違うのは、「どうしたいか」という目標がないことです。ただただ相手の存在を絶対的に肯定しながらも、それを言動にはなかなか出さないため、傍目からは「悩ましい」態度をとっているように見えます。
「何か悩みごとでもあるのかしら?」と思うような相手がいたら、その人は、あなたのことを心のなかで推しているのかもしれません。
自己犠牲的な態度
「推し」がいる人は、基本、「貢ぎ体質」があります。その人のために、何かをしてあげたいという気持ちが豊富なのです。ここが恋愛感情と違うところです。恋愛感情の場合は、「付き合いたい」「モノにしたい」という想いが強いのですが、「推し」相手には、そのようなことを考えるのは「おこがましい」のです。
そこで、どのような態度になるかというと、「なぜ、そこまでしてくれるのだろう?」という自己犠牲的な態度となります。例えば、仕事で困っているときに、助けてくれる。かわりにやってくれる。失敗したら、庇ってくれる。これらの行動は、「私のこと好きなのかな?」という錯覚も起こさせますが、ただ「好き」というだけでは、代償を求めてやっている行動になります。つまり、「自分のことも好きになって欲しくて」、手助けしてくれているのであれば、それは恋愛感情なのです。
「推し」の場合は違います。ただただ相手が存在しているだけで、「ありがとう。そのお返しだよ」という気持ちなのです。なので、手助けしてくれたときに、手助け仕返してあげようとすると、「恐れ多いですー!」という反応を見せることでしょう。
「推し」と相思相愛だったらデートできるか?
いかがでしたか。あなたのまわりにも、あなたを推している人がいるかもしれません。そんなとき、「相思相愛」であるのならば、どうしたら良いのでしょうか。
残念ながら、いまのままのあなたでは、相手にとって素敵すぎて、「デート」なんてものには至らない可能性が高いでしょう。生温かい目で見守りながら、そっと下界に降り立ってあげてくださいね。