罠
ある日の事、事件が起きた。俊さんが午前一時を回っても帰ってこない。初めてだ。連絡も無いし取れない。おかしいなと思いながら、つい寝てしまい目が覚めたのが六時。俊さん、帰ってない。何か有ったのかな、心配。玄関のドアが開いた。
「俊さん、どうしたの! 大丈夫?」
「ご、ごめんな。心配させたな」
「浮気じゃないね。信じているから大丈夫」
「ありがとう。これ見て!」
と携帯の動画を見せた。動画はラブホテルの一室。俊さんの声。
「僕は何か薬を飲まされているようだ。体が動かなくなっている。多分睡眠薬、動画を撮る。ゆり、ごめん…な……」
声が小さくなった。ベッドで寝ている俊さんの服を女の人が脱がしている。パンツも。そして手を使って大きくして、避妊具を付けて射精をさせている。女の人は自分で服を脱ぎ捨て俊さんの横になって、写メをしている。
「今井さん、ごめんなさいね。竹下社長の指示なの。ハニートラップなの。でも、ごめんなさい」と。謝りながら、何枚も写真を撮っていた。
「竹下社長、絶対許さない。近藤と連絡取って方法を考えるよ。心配しただろう。信じてくれてありがとう」
「ケガ無くて良かった。体は大丈夫?」
「体がだるい、少し寝るよ」
着替えさせて寝かせた。ハニートラップってテレビで聞くけど、本当にあるのだ。
「竹下社長って誰。聞いた事ない。俊さんをうらやんでいる人かも、許せない。あの女の人も私の俊さんのおちんちんを勝手に触って!」
午後、俊さんは起きて来て軽い食事を取り、近藤さんへ連絡。