3月の新連載のお知らせ

春はもうすぐ! 新しい季節のお供に♪
3月は15作品が連載スタート!
 


3月15日(土)
8時~『指切り宗佐 愛恋譚』星河三郎
8時~『神と人を結ぶメッセージ わだつみ』西山由実
12時~『沈んだ大陸』柴正博
14時~『克己』河﨑浩
18時~『バックトゥ生物』宮本毅
22時~『人道的医療安楽死』ミハエル・デ・リダー・著 志摩洋・訳
 

3月16日(日)
8時~『海の中の記憶』中原信
8時~『設計の道標』大槻晃
12時~『ザ・キュレーター』そのこ+W
14時~『ながれ星 冬星』石田義一郎
18時~『桃栗三年柿八年梅は酸い酸い十三年』坂東史重
22時~『薄紅色のいのちを抱いて』野元正
 

3月17日(月)
8時~『Ore Joe! 俺たちの青春』本村雅寛
8時~『本気で好きなことだけやってたら人気古民家カフェができちゃった
─人生で大切なことは全て志事から学んだ─』川端えい子

12時~『マーラーとかドビュッシーとか 野球も少し』青柳謙二

3月15日(土)8時~

『指切り宗佐 愛恋譚』
星河三郎

ストーリーの独自性が際立つ作品集

 
 

表題作は、小泉八雲編「耳なし芳一の話」を恋愛物語にオマージュし描いた作品です。
江戸時代の初め、盲目の侍である奥貫宗佐が、悲運の姫君である沙代里と出会い、 深い愛に落ちることから物語が始まります。このほかにも、「谺」「或る一日」など、 物語の構成や語り口、人物造形が秀逸な作品が収録されています。
江戸から昭和の初めを舞台にし、 史実を基にしながらも小説としての面白さを追求した、至極の短編集。
完成度の高い短編小説に触れてみたい方におすすめです。

本文をチラ見せ!

大坂夏の陣(一六一五年)が終わり、江戸の世が本格的に始まろうとしていた元和(げんな)年間の頃、武蔵の国のある小さな藩に、奥貫宗佐隆清(おくぬきそうざたかきよ)という名の若者がいました。父親の宗助は中堅の武士として藩主の高瀬氏に仕える傍ら、余技として篠笛をたしなむという一面を持っていました。その長子として生まれた宗佐は、幼い頃から聡明な上に武芸の才の片鱗も見え、両親も行く末を大いに恃(たの)んでいたのでしたが、惜しいことに…


3月15日(土)8時~

『神と人を結ぶメッセージ わだつみ』
西山由実

神が凡人に託した使命

 
 

「神の存在を多くの者達へ伝えよ」と神から命令を受けた著者。はじめはその重責に戸惑いながらも、自らの体験を通じて神の意図を悟ってゆく。
神聖な声を受け取った者としての苦悩と気づきを綴る自伝的エッセイ

本文をチラ見せ!

「わだつみ」を書く中で、神の放った言葉の一つ一つが甦るのですが、聞いてすぐの段階では気づかぬことばかりでした。
文を作る中で、神様の一言一句が甦る度に、意外にも深い意味が込められていたのだと後で感じてまいります。
縁ある者が来ると聞いたのは、この本は縁ある者の手へ放たれるのだろうという意味へ繋がります。
それは最終章で思い描いた内容が、それ迄の中でも、特にこれだったのだと気づかされ書かされたのだろうと感じます。…

3月15日(土)12時~

『沈んだ大陸』
柴正博

過去に沈んだ大陸の痕跡に迫る!

 
 

海で隔てられた陸地や島々は、海面が低い時代にはひと続きの大陸であり、動物たちは他の大陸や島へ移動が可能だった。
その後の海面上昇によって、現在までの動物の分布や進化は大きな影響を受けている。
謎に包まれた動物生息域の変遷を、「沈んだ大陸」の証拠をもとにわかりやすく解説。

・水深1000メートルよりも浅い海底が、43万年前には陸地だった?
・なぜゾウガメはガラパゴス諸島や、遠く離れたマダガスカル島などにも生息するのか?

本文をチラ見せ!

子供のころ、太平洋に沈んだ「ムー大陸」や大西洋に沈んだ「アトランティス大陸」など、大洋にあったとされる幻の大陸の話に、胸をときめかせたことを覚えています。
しかし、現在では「ムー大陸」についてはその存在が否定され、「アトランティス大陸」についてはその大陸のあった場所が不明で、伝説の大陸とされています。
そのような幻や伝説の大陸とは別に、地球の歴史を過去に遡っていくと…

3月15日(土)14時~

『克己』
河﨑浩

守られた権益か、勝ち取る未来か

 
 

今や、海外から日本人のメンタリティーと誤解されている、切腹や、戦前の価値観では美徳とされた『死を持って失敗の責を償い』それを命じた権威。その考えや行為、その存在の愚かさを彼は、この時代に既に喝破し、故に、参集してきた若者に説きたかったのだろう。(本文「枠の中の戦争」より)

本文をチラ見せ!

中国地方にある、その荘園は、都の藤原北家の嫡流、藤原実頼(ふじわらさねより)の荘園の一つであった。
この地に住む〝マムシ〟と呼ばれている、帯剣が許された荘園内の治安維持を司っていた腕の立つ下級役人(武士)がいた。彼は、着剣が許される程度に、その荘園に於ける実力者(剛者)でもあったが、一方で、刀剣の製作の長でもあった。
彼の娘は、此の荘園が面した海のそばを流れる川から砂鉄を採る事が出来る知見を、一通りの常識と共に幼き時分から父親より伝授されていた。
父としては、この一人娘が…

3月15日(土)18時~

『バックトゥ生物』
宮本毅

「人生の勝者になるためのセルフマネジメント術、教えます」

 
 

大手企業に入社後、うつになり2年後に退職。その後 20年間“底辺”を彷徨い身につけたのは、不確実な時代をサバイブする“生活防衛術”。自分と大切な人を守り、正しく生きていくための最強の指南書。

本文をチラ見せ!

僕が提示したいことはシンプルです。
社会はだいぶおかしい。最近僕はそう感じています。
例えば、現在多くの人が「老後の生活設計」について不安を抱えています。
2019年に金融庁が老後、標準的な生活を送るためには公的年金+2000万円が必要だと発表したこともありました。
「2000万円の用意なんてできない」と感じた人も多いはずです。2025年には、団塊の世代が75才を迎え…

3月15日(土)22時~

『人道的医療安楽死』
ミハエル・デ・リダー・著 志摩洋・訳

「命」のあり方を問い直す洞察の書

 
 

大変な精神的・肉体的苦悩に苛まれている末期の患者さんたちは、理屈抜きで死にたいと思うことがあるに違いない。
ドイツでは自死幇助について激しい議論が続けられており、著者のミハエル・デ・リダー医師は、この課題と積極的に取り組んでいる自死幇助賛成論者である。
彼は、包括的かつ個人的な内容が記されている本書のなかで、その理由を述べている。
そして「死にゆく人に寄り添う者」としての様々な自験例を駆使して、自死幇助の法的、医療倫理的、そして政治的立ち位置についての考察を加えている。
結果として本書は、重要な啓蒙書であり、自己決定による生と死への感動的な訴えとなっている。

ドイツでメディア出演多数の医師による書籍を邦訳

本文をチラ見せ!

カフカは、1912年9月23日の日記に『審判』を一晩で書き上げて幸福感に酔いしれていたことを振り返って、「もちろんフロイトのことを考えている」と記している。
作家のフランツ・カフカ(1883‒1924)と神経学者で精神分析医のジグムント・フロイト(1856‒1939)にはもう一つの関係があった。
両者は、当時としては因果関係のわからない重い持病を抱えて、長年にわたって苦しみを耐えてきたという運命を共有していた。カフカは肺結核と喉頭結核、フロイトは顎と口蓋の悪性腫瘍に苦しんでいた。彼らの運命に共通していた点は…

3月16日(日)8時~

『海の中の記憶』
中原信

どこか不思議でほろ苦い青春群像劇

 
 

就活に失敗したフリーター、離婚後に旅に出たアラサー……。
人生の岐路で揺れる8人の男女が織り成すリアルな苦悩と希望を描く短編小説集。
表題作、他7作品を収録。

本文をチラ見せ!

ウェイトレスという仕事は皿洗いよりましだと思っていたが、給料があまり違わないと知って一瞬肩の力が抜けた。制服のクリーニングは週に一度と決まっていて、夏場の忙しい時に汗するとブラウスが臭うような気がして、とてもイヤだった。仕事がひけるとブラウスだけ持ち出して、アパートの洗面所で水洗いした。
クリーニングに出した衣服についてくる針金のハンガーにブラウスを通して、翌日の昼までに乾くようにと、一番風通しの良いところに吊るし、夜中ではあったが両の掌でパンパンはたいて皺を伸ばした。…

3月16日(日)8時~

『設計の道標』
大槻晃

 
 

本作は、設計・製造・販売を手がける企業が設計不良を大幅に削減し、品質向上を実現するための具体的な開発体制を解説した書籍です。不良品が多発すると、品質不祥事を引き起こすリスクが高まります。実際、2022年10月にはMB電機が22事業所で品質不祥事を発生させ、ISO9000認証が一時的に取り消される事態となり、経営者がテレビで謝罪する場面が報道されました(その後、ISO認証は回復)。私は作成中の本書をMB社常務取締役に届け、感謝のメールをいただきました。なお、MB電機は2023年度に過去最高の収益を記録し、2024年度も回復基調にあるようです。
ここで、製品開発に関わる皆さまに問いかけたいと思います。御社の量産製品にも、設計品質の不良が少なからず発生しているのではないでしょうか。来年度には、御社製品の設計不良によるコストを半減させる自信はありますか?
私は、設計指導の結果、1年後に対象組織の設計不良を6割以上削減し、指導終了時には不良発生額を1/40(97.5%削減)まで激減させることができました。このような設計品質の劇的な改善手法を詳細に解説する書籍や教本は、過去に見たことも学んだこともありません。世の中では、製品の必要な機能を明確にする前に形作りを始める習慣や教育が根強く残っているのが実情のようです。

本文をチラ見せ!

私の勤務時代、会社はISO9001導入で不良多発。定年後、嘱託で最初に図面検証を実施。新しいDR体制を構築し運用した結果、指導7年で設計品質を大改革させました。その詳細を説明します。また他社から大きく差別化した製品を4種類開発。開発手法の詳細を開示します。
元勤務先業務を離れて丸2年後の2011年、いわき市に住む私は、40km北の地で発生した福島原発事故発生に伴う電力会社への憤りがきっかけとなり、本書の執筆に至っております。
当初は千葉に避難しました。自宅が放射性物質に汚染され住めなくなることを覚悟しておりましたが、…

3月16日(日)12時~

『ザ・キュレーター』
そのこ+W

本物か偽物か!贋作をめぐる「美術」サスペンス

 
 

新婚旅行でイタリア・フィレンツェを訪れた松野忠司と真世。
空港で一時的に預かったバッグに入っていたのは、エスキースが存在するレオナルド・ダ・ヴィンチ『イザベッラ・デステの肖像』の油絵と思われた。この作品は果たして本物なのか。
背後に国際的な美術品詐欺ネットワークがあると知った忠司は、ジャーナリストとしてこの事件を追いかけると決め、美術商、キュレーター、画家と関係者への取材を進めていく。さまざまな美術の知識を深めていく忠司だったが、ある時何者かに襲われてしまい……。

本文をチラ見せ!

中部イタリア・トスカーナの緑の沃野は美しかった。麦畑やトウモロコシ畑は青々として風にそよぎ、その間を縫うように点在するひまわり畑は大輪の花を付け、太陽の光を受けて黄色く輝いている。ハイウェイA11をピストイアの町の標識のところで下りると、目の前に豊かな田園風景が広がっていた。なだらかな斜面にブドウ畑がどこまでも続いている。この辺りは有名なワインの産地、また豊かな食の宝庫として知られている。その景色を横に眺めながら一路南下し…

3月16日(日)14時~

『ながれ星 冬星』
石田義一郎

守りたい。 守らなければならない。 刀を振る理由は、そこにある。

 
 

天保十五年。記憶を失くした一人の男が、越後直江の津今町に流れ着いた。
偶然通りがかった橋で、やくざ集団「権藤家」から盲目の少女・さくらをかばった男は、
その縁で町の旅籠屋に居候することになる。
季節は三月。伝統行事『びしゃもん祭り』を控えて、人々は浮かれながらもどこか表情がこわばっていた。聞くところによると、「権藤家」が祭りの襲撃を企てているらしい――。

本文をチラ見せ!

波なみの花が、天高く舞い上がっている。
日本海から吹きつける風は冷たかった。白い泡沫状の波の花は下からえぐられるような強い風に吹き上げられ、雪もろとも岸辺に叩きつけられている。
時折り吹いてくる強い突風は息も出来ないほど強く、心の底まで凍えるようだった。
空は鉛色を呈し、海の色は緑がかった灰色で、その合間を白波が縫うように走っている。海猫の切ない鳴き声がいっそうこの海岸沿いを寂しいものにしていた。…

3月16日(日)18時~

『桃栗三年柿八年梅は酸い酸い十三年』
坂東史重

今日は良い日。明日も良い日になりますように!

 
 

パートから社長に!? 手探り、足掻き、右往左往。
三年間、自分を鼓舞するために綴った文章(カタマリ)は、
誰かの精一杯な今に届くかもしれない。
会社の代表として、母として、一人の人間として。
素朴ながらも力強い、彩り豊かなエッセイ集。

本文をチラ見せ!

このコラムを書きはじめたきっかけは、思いがけず組織の代表になったことに起因する。仕事のことなら大抵なんでも知っていたが、経営など他人事だった。一般的な知識を抱えていても、それをどう活かすかはちんぷんかんぷんだった。ひと月過ぎるごとに現預金残高は心細くなる。途方に暮れたい気持ちだった。
わからないことばかり。でも弱音は吐きたくなかった。…

3月16日(日)22時~

『薄紅色のいのちを抱いて』
野元正

ウチがいなくなっても、この桜の園だけは―。

 
 

桜の儚い美と大樹の神秘に対する人々の想いを描いた短編小説集。

桜専門庭師の夫、悠輔が先祖代々受け継いできた「桜の園」。
夕子は悠輔の死後も、女桜守として彼の想いを継承したいと願うが、
病によって死を意識する。

本文をチラ見せ!

今年も大紅しだれ桜が満開を迎えた。
ここは桜専門庭師の夫、悠輔が江戸時代から先祖代々受け継いできた「桜の園」だ。
花の季節になると、近隣の人びとだけでなく、京都市内から峠を越えてたくさんの人がやってくる。観桜客たちはエントランスの山桜の天蓋をくぐり、園内に入ると、花びらを透かして見える紺碧の空に改めて吐息を漏らす。…

3月17日(月)8時~

『Ore Joe! 俺たちの青春』
本村雅寛

泥の中から這い上がる気力をもつ者だけが、 勝者となりうる。

 

進路も決められないまま、高校3年の夏をぼんやりと過ごすヨシオ。
部屋の中から通行人にシャドーパンチを繰り返しても、心は満たされない。
パッとしない日々を変えたのは、散歩中に見つけた、古びた道場だった――。
格闘技と出会った青年の生き様を描いた、熱気あふれる小説。

本文をチラ見せ!

わたしの生まれた家は旧家だった。
私の家は、前にあるお寺より大きかった。
大きな仏壇の上には、軍服を着た三世代前のこの家の元主の若い将校が、セピア色の写真で飾ってある。
お爺さんである。
南方戦線で亡くなった。
今、この日本では戦争は起こっていない。
十七歳の自分にとって、戦争は遠い昔のことでしかない。…

3月17日(月)8時~

『本気で好きなことだけやってたら人気古民家カフェができちゃった
─人生で大切なことは全て志事から学んだ─』
川端えい子

経営ド素人のシングルマザーが、カフェ開業?!

 
 


ひょんなことから初めて店長を任された店は1カ月で辞任。
タイ語も話せないのにタイへ買い付けに行き雑貨店をオープン、さらには展示会開催にオリジナルブランド作り。
行き当たりばったりの旅でひたすら走り続けたひとりの女性の、汗と涙と喜びに満ちた奮闘記!

本文をチラ見せ!

風楽(ふら)という名前で起業して23年になります。私自身のエネルギーが風なので、「いつも楽しい風が吹いているお店」でありたいという思いで名前をつけました。何人かの友達からは「いつもフラフラしているあなたにぴったりの名前だね」と言われたこともあります。その通り、私は気まぐれで、飽きっぽいくせに何でもやりたがり、熱しやすくて冷めやすいタイプ。そして何より風のように自由でいたい人。
経営者としての資質ゼロ。さらに資本も後ろ盾も経験もないシングルマザー。ただ成り行きと勢いだけで起業してしまった店なのに、…

3月17日(月)12時~

『マーラーとかドビュッシーとか 野球も少し』
青柳謙二

同世代に生きたふたりの天才の代表作へ迫る

 

オーストリア・ドイツ音楽の呪縛に挑み、交響曲という古い形式に固執したマーラー。
西洋音楽の新たな突破口を見いだし、こじ開けたドビュッシー。

『ペレアスとメリザンド』の真の主人公とは? 未完成作品の“完成度”とは?

傑作を残した正反対の作曲家と作品を、新たな視点で“考察”する。
研究書、エッセイを越境した新たなジャンル“推理書”、ここに誕生。

本文をチラ見せ!

「ああ、今日も途中ギブアップか」
週に何回かのジョギング最中でのことだ。自宅を出てしばらくすると、一直線に南下する道路に出る。「海軍道路」と呼ばれる、旧日本軍が弾薬運搬のために敷設した道路、または鉄道跡だと言う。両脇には桜の木が植えられ、春先には花見客も多い。この海軍道路に出てから三キロほどひたすら南下すると、相模鉄道の瀬谷駅に至る。調子の良いとき、または温度の低い冬などには瀬谷駅まで走り、…


今月もお楽しみに!