ドミニクからの手紙をカトリーヌに読んでもらっている間、ワルツさんは無言で闇の一点を見つめていた。読み終わったカトリーヌは手紙の余白をじっと見つめて動かなかった。やがて「雪になりそうだ」とひとこと言いおいて、ワルツさんは深い緑の扉を押して出ていった。ドミニクからのあとの二通の手紙は返事をくれないことに対しての失望に満ちていた。雪は朝までやむことがなかった。 リュシアン、あの鳥はもう二度と戻ってくる…
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